○鑑賞教財

推奨サイト → 19世紀絵画教室−子ども美術館   → e国宝
        
         絵画鑑賞サイト/とことこうぇぶ    → Google アートプロジェクト

夜のカフェ・テラス

ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ/油彩/キャンバス、F25号/1888年


これは36歳のゴッホが、南フランスのアルルという町で

描いた作品で、あの有名な「耳切り事件」の少し前、彼が

画家として最も充実していたであろう時期の逸品です。

通常この様な夜景を描く際は、夜にスケッチをして昼にアトリエ

で仕上げることが多いのですが、印象派の画家である彼は、

現場主義に重きをおき、夜間の制作であってもその場でつくる

ことを好んだそうです。

この絵のことを「美しい青と紫と緑だけによる、黒なしの夜景」で

あるとゴッホは述べています。

確かに、テラスを照らすランプの絵具の厚盛りや、補色の対比、

聖なる青色等からは、黒をつかわなくとも本物より本物らしく感じ

られる美しさ、またトリックがあるように思えます。
綱渡り師

パウル・クレー/カラーリトグラフ

あまり大きなサイズの作品はつくらなかったパウル・クレー

この作品もちょっと大きめのスケッチブック程度のサイズ

支持体(厚紙)への油彩転写です。※カーボン紙のカーボンを油のインクにして厚紙に転写したもの

4つの空間、それを構成する縦と横の線に意図的に合わせた素描のライン

綱の下に広がる動的な線の群れ

色合いからは少し不安定な印象を覚えますが、素描の線からはどこか軽快で、整えられた遊び心?みたいなものを感じます。

これはおそらく”楽譜”なんです。

クレーの家は音楽一族で、クレー自身も11歳でベルリンのオーケストラに籍を置くほどであり、結婚した妻もピアニストです。

クレーはこの線群にいろいろなメロディー(音)をこめているに違いありません。

この絵が伝えたいことは何なんだろう

渡り師が握る棒が上を向いていること、また渡り師の体が右上の空間に収められている点などからは、比較的前向きで明るい曲調をイメージしますが、
真実はこれらすべての線のなかに


       

江戸名所見立三光 両国月之景

歌川広重が描いた錦絵(多色摺り版画の浮世絵)

広重は天保(1830〜44)中期に江戸の名所絵を好んで描いており、本作品もその中の一つで、藍色の色使いが美しい団扇絵である。

粋でおしゃれな江戸の人々は、団扇の格好をした一枚の紙を自宅に持ち帰ると団扇の形に切り取り、自分の団扇に貼り付けて、自分だけの団扇を作ったようです。自分専用の団扇をより美しく、格好良く演出するために、夏になると団扇絵と呼ばれる浮世絵を買い求めました。

図に絶妙な遠近感を持たせる3つの技

・大きくS字を描く橋(両国橋)
・大きさの異なる船
・動線を生む女性とその動きを止めないために適度な重さを与える灯篭(画面左下)

黄金比を想わせる座敷の縦の柱

この柱によって画の構成は引き締まり、左に満月、右に女性、清浄な美しい対比を生んでいます。

  鑑賞を専門に扱ったサイトはまだまだたくさんあります。
  より多くの情報を検索する際はハコモノブックマーク/ART


Copyright(C) 2008-2009 TOYOKI KAJITA all rights Reserved.

inserted by FC2 system